天気不安定につき

昨日あたりから、またひんやりとした空気。今日は雨が激しく降ったり止んだり、雷鳴も聞こえるのでPCは休止しておくことにして、月曜日に届いた豆で味噌仕込み。2月、3月ばたばたとして注文しそびれていたもの。本来はもっと寒い時期にやることかもしれないが、このあたりは十分寒いので大丈夫かな。
豆を煮ている間に読んだ本:
自主独立農民という仕事―佐藤忠吉と「木次乳業」をめぐる人々』。
島根県の片隅で「百姓にして哲学者、酪農家、乳業メーカーの実業家」として長年実践してこられた佐藤忠吉さんからの聞き書き。木次乳業は日本で初めて低温殺菌牛乳をパスチャラズ牛乳として売り出したメーカーです。出雲弁の柔らかな口調だが、筋の通った自主独立農民としての道をを一貫して歩んでこられ、今の日本の農政、消費のあり方にも厳しい見方でおられる。佐藤さんは1920年生まれ。

売れなくてもいい。農民の再生産ができる価格を割るな、と考えました。我々乳業メーカーは…あくまで独立自営農家を育てるのが仕事だと。イギリスの中世のヨーマンみたいな気分でやっとりましたから。農民は都市の植民地じゃありゃせんけん。生産するものが不健康で何がまともなものが作れるかいな。消費者の奴隷にはならない。こびる必要もない。こびると必ずごまかしが入ってくる。 (同書122ページより)

この美しい風景をどうやって残すのか。観光のためにではない。税金を使ってではない。ただひとびとのまっとうな生業がいきいきと淡々と、この地で続くかぎり、この風景は守られ得るのだろう。それこそが、工場やホテルの誘致などにむなしい望みをかけて失敗し、過疎を嫌って一人一人と都会に出て行く、といった「近代化」とは逆の、内発的で持続可能な地域社会をつくるのだろう。佐藤さんは四十年かけて貨幣に踊らされる発展ではなく、自主独立農民にとって生き方のモラルと生の深まりをめざす「ゆるやかな共同」を木次乳業のまわりに生みだしてきた。 (同書204ページより)

自主独立農民という仕事―佐藤忠吉と「木次乳業」をめぐる人々

自主独立農民という仕事―佐藤忠吉と「木次乳業」をめぐる人々

食料自給率40%だというのに、食糧を原料としたバイオエタノール・ガソリンへの転換を推進するなんて、どこかおかしくはないか…。色々なことを考えさせられます、オススメ。