『遺言』

ここのところの寝不足のせいか、プールで30分バタバタしただけで(泳いだといえる段階ではない…)、帰り道の運転が心配になるほど疲れたので引き上げることにした。隣のレーンでは50代後半から水泳を始め、スイミング歴20年というおばあさまがすいすい泳いでおられる。私もいつかは、あのようにとイメージだけは出来上がっている。
スーパーによって買出し、その後、図書館へ寄って〆切り仕事の参考になりそうな「傾向と対策」本を探す。土地柄、農業関連の本棚は充実だが、ビジネス書はそれほどでもない。ふだんまったく読まない分野なので『金持ち父さん』とコーチング関係を選んだものの、付け焼刃もいいところです。
なぜか、すぐ横に鶴見和子さんの『遺言』が並んでいたので、これも借りてきた。しまった、仕事が済んでから借りればよかった。
昨年5月末から亡くなられた7月末まで、妹の内山章子さんが書きとめられた病床日誌が圧巻。息を引き取られた直後、「旅立ちの衣」に着替えさせ、望みどおり綺麗にお化粧していただいたそうです。

七月二十九日 
…病に倒れても決してくじけることなく、前向きに前向きに生きてきた姿勢が、どんな状況になっても貫かれていることに驚嘆する。自分の死、葬儀をはっきり意識しながらも、痛みや病に負けるどころか、ひるみもしない。大きな声で文句をいい、叱りつける。騒ぎの後は、ともにいた人間の目を見て、『ありがとう、お疲れさま』といい、…今日か明日かとハラハラしている者たちを腰を抜かさんばかりに驚かせ、時には笑わせもする。あくまでユーモラスでくじけない。これが伯母が病を得て身につけた強さなのだと思う。(注:この部分は姪御さんの記述)……二人の娘達は、姉の死の看取りをさせてもらった事をきっと大切にして、生きていってくれるのではなかろうか。姉の死の看取りは、私達家族への大きい贈り物である。(『遺言』より引用)

遺言―斃れてのち元まる

遺言―斃れてのち元まる

おもちくん近況。「びろーん」