ああ、無情…

昨日からの暴風雨は今日も続く。おまけに寒い。北海道では20℃近いというが、ここでは一日中5℃前後だった。週末の畑仕事もこの雨では何もできず、久しぶりに福島フォーラムまで映画を見に行くことにしました。どこに映画を見に行くにしても山を下りること車で一時間、手軽に行けるわけではありません。
今日の映画は「潜水服は蝶の夢を見る」。雑誌ELLEの編集長だったジャンは運転中、脳梗塞の発作に襲われた。3週間の昏睡状態からようやく目覚め意識はあるものの、彼の自由になるのは左目だけだった。「生き抜くためには人間性にしがみつくしかない」、瞬きだけで意思を伝える方法を言語療法士から教わった彼は、「潜水服を着た状態でも、想像力と記憶によって蝶のように世界に羽ばたける」ことに気づく。そして彼が以前、出版の契約をしていた出版社へ言語療法士が電話をかける、自伝を出版したい、辛抱強く言葉を書きとれる人をよこしてほしいと…。
これから話は新しい局面に入るところだったのです。突然、コマが遅くなったかと思うと、画面が消え明かりがつきました。映画館の人が後ろから、「申し訳ございません、ただいま映画館裏のアパートで火災が発生し、消防署から避難するよう言われましたので、ここで終了させていただきます(というような内容だった?)」。NOォォォ!!! 映画の途中で外を消防車が走る音がし、ずいぶん近いなあとは思ったのですがよりによって、この裏手とは。ロビーに出てみると何だかきな臭い。
1か月有効の招待券は帰りに頂いたけれど、この映画は25日までなのでもう無理でしょう。F引のビデオ屋に単館系のこれが入るとは思えないし、ああ、無情。
主演のマチュー・アルマリック、ちょっとトム・ヨーク系です。実話ですが、「感動の何とかかんとか」でくくりたくない、「想像力と記憶」が生み出す映像の美しさ、ああ、やっぱり最後まで見たかったよう…。

予告編(英語版):http://www.youtube.com/watch?v=a-eELc1Ae48