『里の在処』

今朝の外気温は10℃、引っ越し以来使っていなかったコタツを引っ張り出してきた。年代物でヒーター部分がないのだが、とりあえず足温用に。今年も夏は短かったなあ。
ひとくちに田舎暮らしといっても、田舎での暮らしぶり、特に地元の方々との距離などは周りの方々を見てもそれぞれのようだ。『里の在処』の著者、内山節氏は在野の哲学者、釣りが縁で群馬県上野村に通い始めること二十数年、ついに古い農家を譲り受け暮らし始めた。東京と村を行き来する生活を続けるなか、村での四季の暮らしをつづったエッセイだ。村の人とのやりとりが実に温かい。東京育ちの筆者がなぜ「里」に魅かれるのか。自分の魂が元に戻ることのできる場所として「里」を定義し、「里」の視線から今の日本の姿をこれでよいのかと静かに問いかけている。深い考えもなしに、ひょんなことから田舎に住むようになった我が家だが、いつまでも街からのお客様でいいわけはないとも思っている。これからの暮し方を折々振り返る意味でも読みかえしたい本だが、残念ながら絶版(今回は図書館で借りました)。

里の在処

里の在処

この上野村は人口1700人余り、私が住む村より少し人口が多いがほぼ同じ規模の村だ。この村のHPに全国町村会による「21世紀の日本にとって、農山村が、なぜ大切なのか−揺るぎない国民的合意にむけて−」と題する提言書が掲載されているので、ご一読下さい。→http://www.zck.or.jp/appeal/index.htm
「疲弊した地方の再生」を強調した方が新しい首相になったようだが、道路とバラマキで地方が再生できると本気でお考えか。