持参した日本語の本、『須賀敦子全集8』(文庫版)はもう読んでしまったけれど、A子さんのところには日本語の本があまりないので、仕方なく本棚の料理の本(英語)をぱらぱら読んでいます(見ているといったほうがいいのか)。さすが食いしん坊、美味しそうな本が並んでいるのでご紹介。

The Art of Simple Food

The Art of Simple Food

バークレーの有名なレストラン「シェ・パニス Chez Panisse」のオーナー、Alice Watersによるもの。

この国の料理本はほとんど写真がないテキストだけのもの、写真満載のものに大別されるが、これは簡素なイラストが各ページにあるだけの前者のタイプ。シンプルな調理は日本でいえば有元葉子さん、あるいは長尾智子さん風か。美味しく食べるための提案をみると、大量生産、大量消費が当たり前だったこの国も風向きが変わってきたんだなあと思う。

地産地消:食材がどこで、どのように生産されたか、地元の生産者によるオーガニックな、環境にも配慮した食材を使う。

・旬の食材を使う。

・地元のファーマーズ・マーケットで買い、生産者と知り合う。

・裏庭や市民農園で自分でも野菜を栽培してみる。窓辺のハーブの一鉢でもいい。

環境保全、リサイクルにエコバッグ持参、コンポストを使用。

・五感を働かせて、シンプルな調理。

・友人や家族、特に子どもたちと一緒に台所にたつ。

・コミュニケーションの場として、誰かと一緒に食卓につく。

・食べ物は大切なもの。食材の適正な価格には環境保全や生産者の労働対価が含まれている。

これって昨今のスローフードってことなんだが、実はアリス自身が30年にわたってずっと提案、実践してきたことのようだ。