歩いても歩いても [DVD]

歩いても歩いても [DVD] 夏の一日、家族を連れて久しぶりに実家に帰る。成人し家を離れた子どもや孫たちをこれでもかと山のような手料理で迎える母、家族とはぎくしゃくしているが威厳は保ちたい頑固な父親、何かというと出来の良い兄と比較され帰省が遠のいていた次男、明るく家族の間を取り持とうとする姉、元気に走り回る孫たち。場面が進むにつれ、皆が集まったのは亡くなった兄の命日だったことがわかる。ありふれた家族の一日を描きながら、家族の愛おしさ、厄介さ、人間の心の奥底に貼りついている残酷さが浮かび上がってくる脚本、うまい。
料理を次々にこしらえてはすすめる姿、レース編みをしながら思い出を語る姿、迷い込んだ蝶を亡くなった長男が戻ってきたのだと追う姿、夫の浮気をしらっと暴露する姿、母親役の樹木希林ブルーリボン賞助演女優賞を受賞したそうだが、この映画の真の主役は彼女ではないかとも思えた。
実家で暮らす年老いた両親を訪ねるムスメであり、ここに登場する老夫婦の立場に近付きつつある身でもあり…。幾つかの場面で自分の姿を重ね合わせてしまう、何ともリアルな家族の映画だった。ゴンチチの音楽も良し!オススメ!
おまけ:登場する「枝豆とミョウガ入りごはん」、「トウモロコシの天ぷら」。こんど試してみよう。