人生の秋を生きる (カルディア・ブックス)

教会本棚から借りた一冊。『信徒の友』誌に連載された「団塊世代を生きる」をまとめたもの、筆者の工藤信夫氏はクリスチャンの精神科医ハーバード大教授の立場を捨て、ラルシュ共同体で障がい者と共に生きることを選んだカトリック司祭ナウエンの例を挙げ、人生前半の拡大志向「階段を上がる生き方」から「階段を降りる生き方」への方向転換を説く。
「あなたは若かった時には、自分で帯を締めて、自分の歩きたい所を歩きました。しかし年をとると、あなたは自分の手を伸ばし、ほかの人があなたに帯をさせて、あなたの行きたくない所に連れて行きます」(ヨハネ福音書21:19)
人生を自然界の四季になぞらえると、今まさに「人生の秋」の私。子どもも一応独立し、時間も好きなように使える日々を束の間過ごしてはいるが、自分の老いも含め思うにまかせない日々がこれから出てくることだろう。さあ、その時に自分のいく道と引きうけて黙々と生きることができるか。

人生の秋を生きる (カルディア・ブックス)

人生の秋を生きる (カルディア・ブックス)