この自由な世界で [DVD]

借金だらけのシングルマザー、アンジー、33歳。親元に預けた息子と一緒に暮すためにお金が必要な彼女は、移民相手の職業紹介業にのりだし、東欧などからの移民を次々と企業に紹介してゆく、といっても実態は日雇い労働者の斡旋、つまり「人買い」。不法移民を紹介すればもっと儲かるという話を持ちかけられた彼女は、とうとう一線を越えてしまう。
必死に生きぬこうとするアンジー、彼女だけが悪者だったのか。彼女の「自由」のために、他人(不法移民たち)の生活を踏みにじっていいのか…、色々と考えさせられる映画だった。見終わってから、羽仁もと子さんの「靴をそろえて脱ぐ自由」という言葉を思い浮かべた。移民なしには成り立たなくなっている英国の姿は、すぐ明日の日本なのかもしれない。原題は"It's a free world..."、「麦の穂を揺らす風」のケン・ローチ監督作品。オススメ。

この自由な世界で [DVD]

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