裸のフクシマ 原発30キロ圏内で暮らす

原発30キロ圏内川内村で暮らしていた作家たくきさんによる、「現場」からの記録。

原発を推進してきた国も、原発を積極的に誘致してきた県も、周辺自治体を見捨てました。事故直後、一切外からの情報が遮断された川内村葛尾村はそれぞれの首長の判断で動かざるを得ませんでした。その後も、机上で立てられた矛盾だらけの政策に、村の生活は翻弄されています。事実を知れば知るほどやりきれなくなるけれど、かといって騙されっぱなしで、隠されっぱなしでいるのは悔しいというたくきさん。よく書いて下さったと思います。私も悔しい。

新聞テレビなどのマスメディアから次第に福島の報道は少なくなっていきます。原発事故はまったく収束していないのに…、復興のかけ声だけが空しく響きます。

はっきり言えることは、放射能による直接的な健康被害より、それを取り囲む、あるいはそこから波及する様々な事柄が壊滅的だということ。…中略…福島の復旧復興は正直ムリではないか。いま放射能が拡散されているというそのことではなく、もっと違うところで。もし、福島が蘇るとすれば、それは日本全体が被災者意識を持つこと、みんなが同じ方向を向くことから始まるはず。

             原発から30キロ地点でオーガニックな食品作りに長年携わってこられたYさんのことば:『裸のフクシマ』から引用

裸のフクシマ 原発30km圏内で暮らす

裸のフクシマ 原発30km圏内で暮らす