試写会@シアターゼロ

『木洩れ日の家で』、ポーランド映画
ワルシャワ郊外の古い屋敷、愛犬と共にひとり暮らす老女アニェラ。たくさんの思い出が詰まったこの屋敷を折り合いの悪い息子は売りたいと迫るし、自身の健康にも陰りが見え始めている。そんななか、アニェラは一つの決断をする。
アニェラを演じている女優さんご自身も撮影当時91歳とか。日本でいえば北林谷栄さんクラスか、凛とした美しさ、深いしわさえ美しい。愛犬フィラもなかなかの名演技。オススメ!

アニェラの決断から浮かんだよしなしごと。私が住んでいる団地の集会所横の小さなグラウンドから聞こえて来る子どもたちの声、暑い盛りも雨の日も、まあよく遊ぶことといったら。先々のことを考え過ぎたり気が滅入るニュースを聞いた時にも、どれだけ子どもたちの声を聞いて気分が上向いたことか、励まされたことか。
何年か先、福島に子どもたちの笑い声が、遊ぶ声があふれるように聞こえてくるだろうか…。
この国の政治家や官僚、経済界の人たちが推進していることは、この子どもたち、これから生まれて来る子どもたちの声を抹殺するに等しいと思う。小手先の少子化対策をいくら講じても、大きな流れが変わらない限り、子どもたちの声はしだいに小さなものになってゆくだろう。お金より命、今、流れを変えなくてどうする!