香月泰男と下関 旅のはじまり@下関市立美術館

シベリヤシリーズを含む油彩50点と水彩、版画など。
結婚し家庭を築いた下関は戦地へ向かう旅の始まりの地点でもあった。シベリヤシリーズの画面、深い黒色の奥に潜む顔、顔、顔。

僅かな肉親が送るその首途(かどで)が、四年余にわたる戦争、抑留への道に繋がっていた。実際には日の丸一本振られたわけではない。しかし個人の意志が、国家体制によって無視されるその船出には、目に見えぬ「黒い日の丸」が振られていたと言えよう。
                    《別》の言葉書き 香月泰男 より引用

香月泰男美術館(山口県長門市)でも「黒への確信―シベリヤ里帰り展」開催中(11月28日まで)。
香月泰男美術館 http://www.city.nagato.yamaguchi.jp/~kazukiyasuo/