除染モデル実証事業@葛尾村

昨年12月から今年1月末まで村役場付近で行われた除染事業の結果が発表されました(村の広報誌「ひろがる和」NO22)。

森林、幼稚園園庭など地面、村営住宅、道路の各箇所で水洗浄、拭き取り、剥離剤使用など幾つかの除染方法を試したようです。今回の実施個所は村の総面積の約1300分の一、ここだけでフレキシブルコンテナ(?)1664個(948トン)分の除去土壌。保管後の線量が2マイクロシーベルト/h。これが村の運動場に設けられた一時保管場所(仮置き場ではない)に積まれています。村全体の除染となると単純に計算してみても 1664個×1300=2662400個(1232400トン)のコンテナが発生するわけです。

除染による放射線量の低減率が50%を上回ったのは油圧ショベルによる幼稚園園庭の土のはぎ取り、水洗浄による給食センターの雨どいくらい、森林部分は空間線量率で12%と低いものでした。何度でも言いますが、村の80%は森林なんですよ。政府が期待する結果が出るまで、何年かかっても除染をやるつもりでしょうか。その間、住民は仮設あるいは借入住宅で自分の暮しを取り戻すこともできないまま耐え忍べよとでもおっしゃるつもりでしょうか(怒)。

詳しくは http://www.katsurao.org/forms/info/info.aspx?info_id=22484 広報NO 22をご覧下さい。

【後記】飯舘村で長年環境問題に取り組んで来られた小澤祥司先生もご自身のブログ「Greener World」で「除染の現実」と題して書いておられます。

原発事故は収束などしていないし、被害者たちの置かれた状況は全く改善されず、むしろ放置されたままだ。いま必要なのは、安全で安心できる避難先を確保し、そこでの生活と仕事、コミュニティの再建に力を尽くすことではないだろうか。除染すれば復興できるというその掛け声は、この事故を矮小化し、原発再開への道を開こうとするものに聞こえてならない。(Greener World より引用)