シュガーマン 奇跡に愛された男、地上5センチの恋心

シュガーマン 奇跡に愛された男

D

原題は"Searching for Sugar Man"。1970年代初めにレコードを2枚出したきり音楽界から姿を消したシンガーソングライターの行方を捜すというドキュメンタリー。ディランとホセ・フェリシアーノを足したような雰囲気のロドリゲスが、なんとアパルトヘイト下の南アフリカで反アパルトヘイトのシンボルのような国民的歌手になっていたという。誰も彼のステージを見たことがない幻の歌手、ステージ上で銃で自殺を図ったという噂が広まり死んだことにされていたのだが、興味を持った南アフリカレコード店主がようやくアメリカに住む彼を探し出し、南アでツァーを開催。もう何十年もたっているというのに熱狂的なファンが待ち受けている。

海賊版テープのヒットだから彼のもとには一銭も入らないし、ツァーの収益だって皆、自分の娘たちに与えてしまった。今はデトロイト郊外で肉体労働をして慎ましく暮らすロドリゲス、周りの人に幸福になってほしいと市議会議員に立候補したり(落選・・)、現代の宮沢賢治といってもいいんじゃないかと思える誠実な暮らしぶり。ブログ「特別な1日(UNA GIORNATA PARTICOLARE)」筆者のSPY BOYさんはワーズワースの"Plain Life High Thinking"を地で行く男と書かれてますが、そのとおり!いい人に出会えて涙ぐんでしまった。

地上5センチの恋心

D

原題は"Odette Toulemonde"、ヒロインの名前なんだけど、このタイトルでは意味不明。不思議キャラのヒロインのおばちゃんがチャーミングでした。