宇部の叔父が80歳で亡くなった。父の6歳下の弟で、私にとってはいつも笑顔の「銀行のおじちゃん」だった。8人兄弟の次男坊の父は自分に何かあったらいろいろ頼むなと、常々この叔父を頼りにしていたので落ち込んでいる。耳も相当遠くなっている、片目が不自由である、記憶違いもでてきた、無理もない。

遠距離介護で父上を見送った伊藤比呂美さんの『父の生きる』をちょうど読んでいたところ。彼女の場合は遠距離といっても並の遠距離ではないカリフォルニアと熊本だ。介護と一括りにはできないし、人それぞれの介護のかたちがある。『いつか死ぬ。それまで生きる。それをただ見守るだけである。』なんと重い言葉だろう。

父の生きる

父の生きる