先週、郡山で

断水のため水を確保しようにも、水を入れる容器もない。台所にも何もないので、とりあえず鍋が一つでもほしい。開いている店がほとんどないなか、バスから見えたさくら通りの金物店にはいってみた。

おじさんに希望を伝えていると、うず高く積まれた商品の山からヘルメットをかぶったおばあちゃんが出てきた。余震に備えてらしい。ポリタンクなどは早々と売り切れてしまったが、バケツにポリ袋を敷いて入れればいいさとのアドバイス。だが、もう巨大な漬物桶と小さなバケツしかないという。困ったなあ、するとおばあちゃんは給水場所もわからないだろと、店の奥からポリ袋を敷いた真っ赤なブリキの消火バケツ一杯に水を汲んで持ってきてくれた。

温かいほうじ茶飲んで行きなさい、このまんじゅうもうまいよ、飴も持っていきな、お互いがんばろうねって。高橋金物店のおばあちゃん、ありがとう!

駅前デパート上階のジュンク堂がオープンしたのは16日だったか。まだ通路のあちらこちらはテープで侵入禁止、でも本の背をぼんやり見ているだけで楽しい。『センセイの書斎』文庫版を買ったが、本棚イラスト部分の字がまったく読めず悔しい、老眼鏡は自宅に置いたまま。

センセイの書斎---イラストルポ「本」のある仕事場 (河出文庫)

センセイの書斎---イラストルポ「本」のある仕事場 (河出文庫)