空き家バンク

ここ県営住宅は緊急仮設住宅として認められたので、入居から2年間は住めることになった。2年後に原発が無事収束し村の除染も完了、村民が安心して生活できる保証などどこにもないというのに。
村長は国に対して村を3月11日以前の状態に戻すようにと要望してくれたが、阿武隈の中山間地の除染が容易ではない(というよりも不可能)ことは現地に足を運んでみれば、誰でもわかること。畑はもちろん、広大な山林をどうするというのか。裏の雑木林の樹皮を一本一本はがして?住民が内部被曝の危険を冒して行なうなんて、とんでもない話。街の一戸建ての雨どい掃除とは訳が違うんだよ!
これからの暮しをどうしたいのか、2年後のことも考えてそろそろ動きだそうと思い、まずは自治体が行なっている空き家バンクにどんな物件があるのか訪ねてみた。
下関市は沿岸部に人口が集中しているが、ちょっと奥に入ればなだらかな中国山地に囲まれた中山間地。荒れた耕作放棄地があちらこちらに散在。若い世帯は街へ出る、残されたお年寄りには維持できなくなった広い住まい、手だてがなく街へ出たり施設に入ったりしたあと、お年寄りが亡くなれば物置代わりになっていた家は荒れ果てるばかり。それぞれの物件に行く道は驚くほど立派な広域農道、そして新しく建設された長いトンネル。ほとんど車は通りはしない。状況は福島も山口も大きくは変わらないのだった。
今日は4か所見せて頂いたが、売却物件以外はどれも住むには厳しいことが判明。住まなくなって2年になるという畑付きの物件は、家の周囲も田畑も丈高いセイタカアワダチソウや雑草におおわれていた。村の我が家も2年も放置すれば、こうなり果てるのだよと突きつけられたようで、すっかり落ち込んでしまった…。
インターネット環境が整備されているなんて、夢のようなお話に思えてきた。全国の自治体の皆さん、田舎に人を呼び込みたいなら、道路よりもネット環境の整備ですよと声を大にして言いたい!ケータイが圏外なんて。葛尾村だって、もうクリアしてるんだからね。