水になった村

水になった村 大西暢夫著

水になった村

■1957年、岐阜県揖斐川上流・徳山村に日本最大のダム建設の話が持ち上がった。1600人ほどの住民は次々に近隣の街につくられた移転地へと引っ越していった。それでも、何家族かの老人たちは村が沈んでしまうまでできる限り暮らし続けたいと、街から戻って来た。

今から15年前、村を訪ねた写真家の大西暢夫はここに暮らすジジババたちの暮らしに魅せられ、東京から片道500キロをバイクで高速道は使わず山道を走り抜けて通い続けた。村には季節ごとに土地で採れるものを大切にする、暮らしの知恵や技がある。食卓にはいつも食べきれないほど大盛りのごはんが並び、山はジジババたちの笑い声に満ちていた。2006年秋、いよいよ工事が終わり、水がたまり始めた。もう誰も、村に帰ることはできない…。

徳山村の15年をつづったドキュメンタリー映画「水になった村」→公式サイト 

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