"Christmas In The Trenches"(塹壕のクリスマス)by John McCutcheon 

「いと高きところには栄光、神にあれ、/地には平和、御心に適う人にあれ。」ルカによる福音書2:14

1914年第一次世界大戦のさなか、ドイツ、イギリス、フランス軍が戦っていた。クリスマスイブの夜、一人のドイツ兵が「きよしこの夜」を歌い始め、その歌声の輪は広がっていき、イギリス兵、フランス兵もそれぞれの国のクリスマスキャロルでこたえた。兵士たちはそれぞれの塹壕からでてきて、互いに握手を交わし、ささやかな贈りものを交換し、家族の写真を見せあった。中間地帯でサッカーの試合もしたし、亡くなった仲間のために合同で礼拝も行った。
もちろん上官たちは憤った。互いの名前を知り、家族のことを知った相手を殺せるだろうか。戦争では名前も顔もない敵が必要なのだ。この出来事からしばらくのあいだ、兵士たちは互いに上方に向かって発砲したという。だが、その後戦争は3年間も続いた。この歌は、イギリスからきた若い兵士による語りとして歌われ最後はこんな風に…。

Soon daylight stole upon us and France was France once more
やがて夜が明け、ふたたびフランスはフランスに
With sad farewells we each began to settle back to war
悲しい別れとともに、僕らはまた戦争に戻り始めた
But the question haunted every heart that lived that wonderous night
でも、あの驚くべき夜を過ごした者たちは心に浮かんだ疑問に悩まされる
Whose family have I fixed within my sights.
照準を合わせたのは誰の家族だったのだろう



Twas Christmas in the trenches and the frost so bitter hung
塹壕のなかのクリスマスは、ひどい寒さだった
The frozen fields of France were warmed, the songs of peace were sung
平和の歌が歌われていた時、フランスの凍えた戦場は暖かかった
For the walls they'd kept between us to exact the work of war
戦いへと駆り立てるために僕らを隔てていた壁は
had been crumbled and were gone forever more.
崩れ、永遠になくなってしまったのだから
Oh my name is Francis Tolliver, from Liverpool I dwell
僕の名はフランシス・トリバー、リバプールに住んでいる
Each Christmas comes since World War I have learned its lesson well
第一次世界大戦以降、クリスマスが来るたびに僕は学んできた
For the one who calls the shots won't be among the dead and lame
撃てと命令する者たちは死にはしない、負傷もしない
And on each end of the rifle we're the same
ライフルの両側にいる僕らは同じ人間なんだということを
(Christmas in the Trenches :http://www.sojo.net/blog/godspolitics/?p=4961)より引用
Source: SojoMail http://www.sojo.net/sojomail (拙訳)


"Christmas In The Trenches"(塹壕のクリスマス)by John McCutcheon